粉+水+酵母+塩でつくる【パン工房】

最終更新: 2018年7月9日

マルシェ出店者:パン工房こもれび 太田裕美さん


住所を頼りに辿り着いたのは、彦根市開出今町の住宅街。

大きなコナラの木の下に、カラフルな看板が見えました。



こちらは、毎週火曜日にオープンする「パン工房こもれび」。

今回はこちらの自宅兼工房でパンづくりを営む、パン工房こもれびの店主・太田裕美さんから、イイネタのある暮らしについて、お話をお聞きしました。




イーストから始まり、レーズン、ライ麦酵母へ。



もともと学生の頃から、お菓子やパン作りが好きだった太田さん。

大阪にある、天然酵母を使ったパン教室へ通うようになりました。

糖分や水と結びつくことで、パンの生地を発酵させるはたらきがある、パン酵母。



通常、大量生産されるパンでは、もともと自然界に存在した野生酵母の中から、製パンに適した株を選んで培養したイースト(酵母)が使われています。

このイースト菌を使ったパンと比較して紹介されるのが、天然酵母のパン。

天然酵母とは、果実や穀物についてくる野生の酵母を利用して、種をつくったものです。




この天然酵母には、色々な種類の酵母が混在していて、それらの酵母が出す成分が独自の味と香りを付けるので、天然酵母パンには、イースト酵母(純粋培養)とは違った風味があるといわれます。




そんな天然酵母を使ったパン教室へ通い始めて、約3年を掛けて、レーズン酵母、ライ麦酵母など、色々な酵母パンを作っては、周りの方々に試食してもらう。

それが太田さんにとっての、天然酵母パンづくりの始まりでした。





粉+水+酵母+塩のパン



転機になったのは、出産と子育て。

授乳をするときに、体調が不安定になり、そこから食べ物にこだわるようになりました。

そして辿り着いたのが、粉+水+酵母+塩をベースにしたパンづくり。



それまでは、パン教室で習ったとおりのレシピを使っていましたが、乳製品、卵、砂糖、油を入れないパンづくりの追求が始まります。



フォカッチャなどイタリアン系のパンに仕上げ油を塗ることがありますが、基本的には、粉+水+酵母+塩をベースにしたパンをつくって販売中。


つい数か月前までは、 乳製品、卵、砂糖、油、不使用 ということを積極的に紹介してこなかったそうです。

そうすることで、買って下さる方の層を狭めてしまうかも? ということで。



しかし、お子さんがアレルギーを抱えていて、「家族で安心して食べられるパンを探していたんです」と言われることが増えて来て、やっぱり求めておられる方がいるならば、伝えてみた方が良いかなと思い、最近はブログやイベントの時にも粉+水+酵母+塩のパンということをお伝えされています。



“安心して食べられるパン”を追求していった先にあったのが、いまのレシピでした。

オススメのパンは、う~ん・・・  全部です。作る量が少ないので、自分が食べたいパンしか作らないのです。



だから、甘い、しょっぱい、硬い、やわらかい・・・と好みを聞いて、おススメします。自分の好みで言えば、私は全粒粉のくるみパンが好きですね。

全粒粉を25%くらい入れて、ずっしりしたパンを作ります。

食パンもスライスしてトーストすると本当に美味しいんです。

だから一週間くらい冷蔵庫で置いておいて、スライスして食べられます。



焼く前に霧吹きで水分を含ませておくと、中身はふんわり、外側はカリっと美味しく焼きあがります。

これに、丸中醤油(愛荘町)のお醤油と、菜ばかり(東近江市)菜種油を付けて食べるのがお気に入りです。




それは生き物。酵母の時間に合わせたパンづくり



パンは発酵させるものなので、発酵の状態に合わせて、つくり手が動かないとなりません。

レシピの始まりは、「酒かす」と「炊いたご飯」と「お水」。



お米は滋賀県産の日本晴を使っています。

酒かすは、「無農薬米・無添加・生もと造りな酒造り(自然酒)」に取組まれている、醸造元・寺田本家から取り寄せたものを使います。



ここの酒かすを選ぶのは、蔵付き酵母でお酒を仕込んでいること。

蔵つき酵母の酒造りで生まれた酒かすは、ヨーグルトのようなまろやかな香りが特徴です。


その酒かすに、「炊いたご飯」と「水」を入れることで元種ができます。

この元種にたどり着くまでにも、紆余曲折がありました。

最初は一般的なレーズン酵母の元種作りを行っていましたが、オイルコーティングされていないレーズンを手に入れるのが大変で、試行錯誤したのち、酒かす・炊いたご飯・お水を使った元種レシピへ至りました。



工房販売日・火曜日のパンづくりは、4日前・前週の金曜日から始まります。

元種に小麦粉と水を足して中種をつくる作業を経て、月曜日の午後から仕込みの作業へ。



さらに、パンに甘みを付けたい時には、 水と混ぜた甘酒を加えます 。

甘酒をつくる麹は、彦根市にあるハッピー太郎醸造所から仕入れたもの。

ハッピー太郎さんには、はらぺこ朝市・出店グループ「さんしょ組」主催のゲスト出店者としてもお越しいただいています。



捏ねたり、発酵させる工程を経て、月曜日の夜に焼く前の最終チェックを行います。

同じ工程でつくっていても、天気や温度・発酵の状態によって仕上がりが変わるので、「今日はこの場所で置いておこう」と決めて月曜日の夜が終わります。



そして工房販売日の火曜日。

自宅に併設されている工房で、いよいよパン焼きが始まります。



輻射熱をいかす石窯のような構造のオーブンを使って焼き上げて、いよいよお客さまの手にパンが渡ります。


市販のパンのように、誰でも食べやすいことよりも、風味にこだわったパンは、好き嫌いがはっきりと分かれるそうです。



そして、ハード系のパンが多いので、リピーターには、海外生活の経験がある方や、食べ応えのある堅いパンが好きな男性が多いとか。



「こもれびさんのところへ行けば、本格的なパンが食べられる! 」イイネタマルシェには毎年、そんなこもれび工房のファンが集まり、まっさきに完売するお店の一つにもなっています。



目印は、カラフルな看板。

天然酵母パンをお買い求めの方は、マルシェ当日、お早目にお越しくださいね。






★ ひこね の イイネタ編集室からの質問★


【パンの材料について教えてください。】


素材はすべて、国産か、外国産の場合はオーガニック製品を使うようにしています。

小麦粉は、北海道産。

他の産地のものも試しましたが、グルテンの量が違うので、北海道産を選びます。



混ぜ合わせる全粒粉は、滋賀県日野町の生産者さんから全粒紛を買わせていただきます。

お塩は、中国産のミネラル成分豊富な天日海塩を使っています。



【パン工房をやっていて嬉しいことは何ですか?】


イベントや朝市で買って下さったかたが、わざわざ工房を訪ねて買いに来て下さるときが嬉しいですね。

住宅街の中にあって分かりにくいので「迷いました~」と言われる方もありますが、わざわざ来て下さるのはとても嬉しいことです。

場所が分かりにくい時は、お電話をいただければ幸いです。


また、毎月第二水曜日に開催している「はらぺこ朝市」を通じて、地元できちんと作られた食べ物をお届けする活動にやりがいを感じています。



【反対に、大変だったな~と思うことは何ですか?】


自営業をされている方の中ではよくある話なのですが、イベントなどで親が忙しくしていると、子供も体調を崩す。

でもパンは発酵するものなので、パンの時間に合わせて自分が動かないといけない。

オーブンに入れないといけないタイミングで子供が泣き出したり。

いまは子供も大きくなったので「そんな時もあったな」と思いますが、当時は一生懸命やってたなと思います。



【彦根周辺のオススメスポットを教えてください。】


犬上川の河川敷にある樹々の並木が好きです。

樹や自然が好きなので、自転車に乗って走りながら眺めているのが好きですね。

お庭にはコナラの木があります。

本当は山とか温泉とか行きたいんですけれど、発酵の作業から手が離せませんので、お家のふすまを開けて緑茶を呑みながら、庭を眺めてぼーっとする瞬間が息抜きですね。



【これから挑戦したい夢はありますか?】

流れに任せるイメージです。

今の状態をキープして、最低限週1回焼くことを続ける。

それで色んな人に食べてもらいたい。その状態を続けたいと思っています。

パン教室は「このパンをどうやって作ってるか深く知ってほしい」という想いで、ご依頼があれば開催しています。

こんな仕組みで作っていて、どんな過程を経ているか知ってもらえると嬉しいですね。

家のオーブンは輻射熱で石窯のように焼けるオーブンなので、それで焼いたパンを食べてほしい思いもあります。



★パン工房こもれび について★

住所: 彦根市開出今町1573-50

電話:0749-24-3197

ホームページ:http://komorebi.shiga-saku.net/

工房販売日:毎週火曜日12:00-16:00

イベント販売:毎月第二水曜日

「はらぺこ朝市@ウィズ」彦根市平田町「男女共同参画センターウィズ ロビー」




ひこねのイイネタ編集室

Tel: 0749-22-5535

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