今年のイイネタマルシェに新たに出店してもらえそうな所はないかな~
そんな事を考えていた3月某日。
とても興味深い活動をされていた方とひょんな事で知り合いました。
さらっと活動内容をお聞きし、ぜひ今年のイイネタマルシェに出店してもらいたい、と打診したところ快く承諾。
という事で
彦根市内にて『カフェ 夢工房 if』『クレープ茶房・雑貨 if』
の2店舗を運営されている「認定NPO法人サタデーピア」の理事長:上ノ山さんと「夢工房if」の所長:廣部さんに早速詳しいお話を聞きに行ってまいりました。
こころのバリアフリーをめざす
NPO法人・・・と聞くとどうイメージをされますか?
名前自体は聞いた事はあるけど、実際どんな活動をされているんだろう・・・
実際には自分とは関係のない場所だと思う人も多いのではないでしょうか。
NPO法人サタデーピアさんは精神保健福祉に関わる活動をするために
精神科診療所の患者・家族会を母体として1999年に設立された特定非営利活動法人です。
2013年に「認定NPO法人」としての認証を受けられ、今年で設立20周年になるそうです。
母体は南彦根駅前にある精神科診療所の「南彦根クリニック」
院長夫人で臨床心理士資格を持つ上ノ山さんが、差別や偏見を軽減し正しい理解を拡げて
こころのバリアフリーをめざしたいと、様々な事業活動をスタートされました。
その活動の中のひとつが、精神的障害を抱え一般社会に馴染むことが出来なくなってしまった方々の就労支援の一環として始められた『カフェ 夢工房 if』の運営です。
最初のスタートはクレープから
利用者さんの就労・自立支援として何か出来ないか・・・と模索していた時に
サタデーピア設立時の職員の中にお店でクレープ作りをされていた方がいたという理由から2001年からクレープの販売を始めることに。
彦根市内の各地を転々とされ辿り着いた場所が、現在お店を構えられている彦根市西今町にある『カフェ 夢工房 if』です。
こちらのお店では、サタデーピアの利用者さんがスタッフとして調理から接客まで全てを行います。
最初はクレープから始めたこのお店も今では普通のカフェ並にメニューも豊富になりました。
季節のものを扱ったメニューや種類豊富なデザート、また、雑穀米や手作りお味噌のお味噌汁など身体にも優しいお料理を提供してくれます。
そして、お値段も大変リーズナブル!!
私たちが伺った平日のランチタイムも、ご近所さんなどで大変賑わっていました。
「まだまだこのお店自体をご存知ない方も多く、今はどうやってアピールしていこうか慣れないSNSも使いながら頑張ってるところです。」と笑いながらお話してくださいました。
根気があるので細かい作業は得意なんです
『カフェ 夢工房 if』のセカンドショップとして
2018年3月に彦根城に程近い四番町スクエア内にオープンした『クレープ茶房・雑貨 if』
今年めでたく1周年を迎える事が出来ました。
こちらは彦根城やキャッスルロードのすぐ近くという事もあって、休日にもなれば観光客などたくさんの人に溢れています。
お店ではクレープの実演販売の他、焼き菓子や雑貨、アクセサリーなども販売されています。(今年のイイネタマルシェでもクレープを作ってもらう予定です)
中でも目に留まったのは、丁寧な刺繍を施されたポーチやハンカチなど。
もちろん全て利用者さんの手作りです。
刺繍なんてやった事もない私が思わず凄いな~と呟くと
「精神疾患を患う人は根が真面目で頑張り屋さんが多く、一つの事を成し遂げる集中力は凄いものがあるんですよ~」と上ノ山さん。
展示されている商品をみて、まさにその通りだな~と納得しっぱなしでした。
苦手な部分に目を向けることも必要だけど、得意な部分を伸ばしていくことも大事。
人それぞれに得手不得手があって当然なんだと改めて教わりました。
地域とつながる事でやりがいを感じてもらいたい
ご紹介した2つの店舗で働くのはサタデーピアの利用者さん。
時には体調が優れず思うように体が動いてくれなくて、途中で帰ってしまったりする方もいらっしゃるそうです。
それでも日々自分の心や体と相談しながら、地域の人との触れ合いを通じて社会とつながり、自分の存在を認めてあげられる場所を提供する。
また、社会に対しても「人と違う=個性」なんだと認識してもらい、思いやりとやさしい気持ちで受け止めてもらえるように呼びかけ続ける。
NPO法人サタデーピアの活動を通じて、正しい知識や理解を拡げる事でこころのバリアフリーを実現し、サタデーピアのメンバーがいつか一般社会に溶け込めるようにこれからも精一杯サポートしていきます、とお二人は話してくださいました。
イイネタマルシェの軸も「地域とのつながり」です。
7年目を迎える今年もそれは変わっていません。
活動内容は違えど、めざすところは同じだな~とお話を聞きながら感じていました。
サタデーピアさんが新たに地域とつながる場所としてイイネタマルシェを活用する。
そして、イイネタマルシェを通じてさらにその輪を拡げていく事が出来たなら、それはすごく喜ばしいことだと思っています。
「心のバリアフリー=誰もが住みよい、暮らしやすい街づくり」を実現する世の中になるように、私たちも願っています。
★ ひこね の イイネタ編集室からの質問★
【カフェ 夢工房ifで出されているメニューは誰が考えたのですか?】
サタデーピアの利用者さんや職員たち皆で考えました。
あーでもない、こーでもない、と何回も何回も試食を繰り返して、少しずつ味の調整もして現在のメニューが出来上がってます。
カフェ夢工房ifで出すランチメニューは全て〈サラダ・汁物・副菜2品付〉でALL600円ですのでぜひ一度ご賞味ください。
【NPO法人サタデーピアさんでは他にどんな取り組みを?】
就労支援以外の活動としては広報・出版事業として広報誌の発行やHPの運営、人材育成事業としてカウンセリングやピアサポートクラブという同じ経験を持つ人同士がわかりあえる場や、企画を通じて集える場を提供しています。
【みなさんにお伝えしたい事は?】
メンタルヘルスの向上には「笑い」という存在が大きく関わってきます。
周年記念やイベントなどではサタデーピアの職員、利用者関係なく漫才や新喜劇を演じたり、落語を聞いたりして笑いを取り入れながら心の健康を保つ取り組みもしています。
20周年の今年は6月22日にひこね市文化プラザで記念イベントを行います。
参加費無料ですので関心のある方はぜひお立ち寄りください。
★カフェ 夢工房if★
【住所】〒522-0054 彦根市西今町1327
【営業日】火~土 11:30~17:00(木曜のみ16:00まで)
★クレープ茶房・雑貨if★
【住所】〒522-0064 彦根市元町一丁目11番5-6号
【営業日】木~日・祝 11:00~17:00
認定NPO法人サタデーピア
【ホームページ】 http://www.satade-pia.net/
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